目黒通りと Bob James

Bob James をかけながら目黒通りを流す昼下がり

車研究:ホンダ・フィット GR1

ホンダ・フィット 1.3Lガソリンモデル(GR1)を運転してみた.動き出しはスムースで,静粛性も高い.乗り心地も良い.ブレーキのフィーリングも良く,自然に止まれる.かなりの好印象だった.しかし,街中から首都高速,高速道路へとステージを移して行くと,室内がそれほど静かで無いことに気づく.特に,路面の状況が悪いと極端にロードノイズが高まる.路面の状況でロードノイズがかなり変化する印象だ.エンジンスペックは,98PS,118Nmであるが,踏んでも加速しない.街中では気にならなかったのだが,高速道路などで速度をコントロールしようとしてアクセルを強めに踏んでも加速は極めてゆっくりだ.ただ,この極めて緩慢な加速に慣れてくると,その加速マナーは悪く無いと思えてくる.エンジン音はポート噴射であることもあるかもしれないが,悪く無い.また,エンジン回転と速度の伸びがうまくマッチしていてとても自然だ.CVTの制御がとても良く躾けられている.ハンドリングの味付けもごく自然で,怖いところが無い.何というか,全体として一つの世界観を持っているのだ.あくせく加速しようとしてはいけない.速いコーナリングをしようとしてはいけない.フィットGR1の持つ世界観に体の方を合わせ,委ねる.すると,何ともいえない心地良さが感じられるようになる.開発のコンセプトが「心地よさの追求」であったとか.まさに,それだ.そうして,運転を終わって車から降りるとき,思いの外疲れていないことに気づく.

今回のフィットは,レンタカーで借りたものである.したがって,トリムレベルは一番下,つまり,「ベーシック」というグレードである.内装は特に質感の高いものでは無いが,ソツなくまとまっている.ダッシュボードに起伏が一切無く,全体として高い,と感じた.メーターもこのダッシュボードのレベルの下に収まっていて,メーターフードの盛り上がりも無い.巷では細いAピラーによる視界の良さを評する声が多いのだが,個人的には高いダッシュボードによる一種の閉塞感を感じた.

ホイールは15インチ仕様(タイヤサイズ:185/60R15)で,最小回転半径は4.9mとなる.確かに小回りは効いた.

フィットGR1のサイドビュー.